【インフルエンザワクチン再考 〜打つべきか否か?〜】
師走にもなり、だいぶ気温が下がってきました。そろそろ風邪やインフルエンザが流行りだす時期になって参りましたが、皆様はお身体の調子を崩されたりしておられないでしょうか?
さて、当院でも毎年この時期になると、患者側から「インフルエンザの予防接種を受けようと思うのですが、打ってもいいですか?」とか、「インフルエンザにかかったらどうすれば良いですか?」という質問を受けることが増えてまいります。
そこで、今回はインフルエンザの予防接種に関する当院の見解をまとめましたので、興味ある方はぜひお読みください。
● インフルエンザワクチンは安全とは言えない!?
日本では、毎年流行するインフルエンザの予防には、
ワクチン予防接種が推奨されています
また、日本感染症学会などのインフルエンザワクチン予防接種を推奨する立場の学会(当然製薬業界からの資金提供がある)も、「インフルエンザワクチンは、インフルエンザの発症を予防する効果がある」としており、よくその根拠として、コクラン(Cochrane Library)のシステマティック・レビューが引用されます
しかし、このレビューでインフルエンザの発症を予防する効果があった、とされているワクチンは残念ながら日本では承認されていないものです(新型の不活化ワクチンや、鼻粘膜に吹き付けるタイプの弱毒生ワクチン)。ただし、これらのワクチンには従来のインフルエンザワクチンよりも強力なアジュバント(Adjuvant)が添加されているために毒性が強く、日本で承認されたとしても推奨できないという現実もあります。
詳細は省きますが、ほとんどのワクチンに添加されているアジュバントは、本質的には炎症ゴミになるDAMPs(Damage-associated Molecular Patterns:障害関連分子パターン)であるため、注射された周囲の組織に本来は不必要な炎症を引き起こすのみならず、このような炎症が引き起こされた結果、様々な副作用=有害事象(ギラン・バレー症候群、ナルコレプシー、アナフィラキシー、けいれんなど)が生じることが、多数の論文により示されています(詳細は割愛、HPVワクチンの副反応被害もこのアジュバントによるものと考えられます)。
● インフルエンザワクチンは予防効果がない
上記のように、ワクチンの安全性もさることながら、実は日本で使用されているワクチンは、鼻や気管支粘膜表面で感染を防止するための免疫を作る働きはなく、インフルエンザウイルス感染を予防する効果は全く期待できません。
現在日本で用いられているワクチンは、インフルエンザウイルスの部品を集めたもので、「スプリットワクチン」や「サブユニットワクチン」と呼ばれます。これらのワクチンを接種した後に体内に産生される抗体は、インフルエンザウイルスが免疫の作用で破壊された時にバラバラになって血中に散らばった成分(ノイラミニダーゼやヘマグルチニン)などの“炎症ゴミ”を処理するための抗体です。
つまり、これらのワクチン接種でできる抗体は、「ゴミ処理のための抗体」に過ぎない、ということなのです(実はこれはほとんどの不活化ワクチンで言えることです)。実際にワクチン接種がインフルエンザウイルスの侵入を阻止できないことは、先述の「厚労省Q&A」にも記載されていることです。
さらに、疫学的に効果があると結論づけている論文の多くは、後述するように多くのバイアス(交絡因子)がかかっているため、信頼できません。
このように、効果もなければ有害な作用すら生み出すワクチンには、いったい何の意味があるというのでしょうか?
● 「重症化を防ぐ」とする説には根拠がない
我が国では1994年に予防接種法の改定に伴い、インフルエンザワクチンの学童集団接種が行われなくなって以降、1998年まで予防接種者はほとんどゼロに近かったのですが、その期間もインフルエンザ流行の様子は、それまでと大きな変化はありませんでした。
しかし、インフルエンザワクチンが売れなくなってしまうのは困るので、ワクチンメーカーや学会は、次のインフルエンザワクチンの販売を促進する手段として、「ワクチンはインフルエンザの重症化を防ぎ、入院や死亡を減らすことができる」ということを宣伝し始めました。
そして、
高齢者のインフルエンザ重症化を防ぐためにワクチン接種が必要と
する言説がまことしやかに語られるようになりました。しかし、
この根拠としてよく引用される論文は、症例対照研究でしかなく、
最も重要な因子である「普段の発熱状態」
で補正がなされていないため、データとして信頼できません
また、高齢者の発病を34〜55%防止し、死亡を82%
減少させたとする「厚労省Q&A」で引用されている論文(
神谷齋「インフルエンザの効果に関する研究」)も、
疫学研究では最も質の悪い観察研究に過ぎません
つまり、インフルエンザワクチン予防接種により、「感染の重症化を防ぐことができる」という仮説には、確固たる根拠がないということです。
予防効果も重症化を防ぐこともできないインフルエンザワクチン。それでも打ちたいという方は、ご自由にどうぞ、というより他にありません。
● ワクチン接種の効果をみた論文は様々なバイアスがかかっている
ワクチンを打つ場合の前提を考えてみましょう。ワクチン接種する際に、発熱しているなど身体に異変がある場合、あるいは何か病気を抱えている場合には、誰でもワクチン接種は控えるでしょう。
そのような患者背景を無視して、病気の状態でワクチンを打たなかった(打てなかった)人と、健康な状態でワクチンを打った人とを比較した結果を見てもほとんど意味がありません。当然、病気がちでワクチンを打たなかった人の集団の方が(免疫力も低下しているだろうから)、インフルエンザウイルス感染も起こりやすいということが考えられます。
逆に、健康な状態でワクチンを打った人は、もともと(ワクチンを打とうが打つまいが)感染症状が起こりにくい(免疫力の高い)人たちであったということが考えられます。
すなわち、このような患者集団で比較した場合、健康なワクチン接種群の方が、不健康なワクチン非接種群に比べて感染が起こりにくいため、結果としてワクチン接種の効果が(本当はないのに)、あるかのように見えてしまう、ということなのです。このバイアスのことを「病者除外バイアス(Frailty Exclusion Bias)」と呼びます。
実は、インフルエンザワクチンのみならず、多くのワクチン予防接種の疫学的臨床論文で「効果がある」とされている論文の多くが、この病者除外バイアスを考慮しておらず、最終的に結論を誤っています。
他にも、否定的な結果が出た臨床研究は公表されにくいという「出版バイアス(Publication Bias)」があります。
さらに、
インフルエンザワクチンの予防接種には効果があるとする過去の論
文の多くが、患者の血清抗体価のみを調べ、
ワクチン接種後に抗体価が上昇していれば“有効”
であると結論づけています(以下はその一例)
先述した通り、日本で用いられてきたスプリットワクチンにより体内で産生される抗体は、ウイルス成分の残骸を片付ける、ただの「ゴミ処理」のための抗体ですから、その抗体がたくさん作られたからと言って、ウイルス感染が予防できるわけではありません。
このように、残念ながらインフルエンザワクチン予防接種の効果をみた論文の多く(予防効果があると結論づけているもの)は様々なバイアスや問題点があり、その結果は信頼に足るものではありません。
● 「前橋レポート」で否定されたワクチンの予防効果
先述した通り、インフルエンザワクチン予防接種に「効果がある」としている論文の多くはバイアスがかかっており、全く信頼できないわけですが、普段の健康状態とは無関係に、ワクチンを使用した集団とワクチンを使用しなかった集団のインフルエンザ様の発熱に関して比較した大規模調査が、実は過去に我が国で唯一実施されています。
この調査は、群馬県前橋市において市と医師会主導の下で行われ、いわゆる「前橋レポート」として専門家の間ではよく知られています(由上修三「ワクチン非接種地域におけるインフルエンザの流行状況」、山本征也「インフルエンザワクチンはなぜ無効か」)。
1994年に予防接種法で任意接種になるまで、我が国ではインフルエンザのワクチン接種は臨時の定期接種に組み込まれており、日本の全学童に半ば強制的にワクチン接種が行われていました。これはワクチンを学童に集団接種することで、インフルエンザの集団感染を防ぐことができるという仮説(学童防波堤仮説)の下に行われていました。しかし、当時からインフルエンザワクチンの予防接種後に起きた痙攣発作などの副作用報告があり、予防接種の効果にも疑いがかけられていた部分もあったため、1979年の冬に、群馬県前橋市医師会が、独自の判断でインフルエンザの集団予防接種の中止に踏み切りました。
ただし、前橋氏医師会は、単に予防接種を中止しただけではありません。中止後のインフルエンザ流行にどのような変化が現れるのか、前橋市とその周囲の5つの市の小・中学校の生徒約7万5千人を対象に、開業医を中心に詳細なデータを集めて解析させたのです。
結局数年間に及ぶ調査の結果、延べ10数万人の児童において、ワクチン接種群とワクチン非接種群において、インフルエンザ様の症状を呈した児童の割合を比較したところ、全く差がなかったことがわかりました。さらにこの調査では、地域の医療費や超過死亡率も変化がなかったことが明らかになり、前橋市医師会の判断(予防接種中止)が正しかったことが示されたのです。
この調査が公表されたのは1987年のことですが、インフルエンザワクチンの予防効果に関して、この研究を超えるような大規模調査は存在せず、今でも世界で最も信頼できる調査だという専門家もいます。
何より、前橋レポートの最大のポイントは、「ワクチンメーカー側の資金提供なく行われた利益相反の全くない大規模調査で、ワクチンの効果が否定された」という点です。なぜなら、ワクチン研究の多くがワクチンメーカーの資金提供の下で行われており、そのような論文の多くは、ワクチンメーカーの意向(ワクチンは効果がある)に従った結論ありきで研究が進行し、都合の悪い結果が得られた場合、論文として出版されない(=出版バイアス)からです。
前橋レポートを「古い論文で、インフルエンザの診断方法や解析方法が信頼できない」と述べたて、批判する専門家が後を絶ちませんが、そのような主張にこそワクチンメーカー側の意向が働いているのでは、と穿った見方をせずにはいられません。
● インフルエンザワクチンは打つべきか? 〜まとめ〜
ここまででも、インフルエンザワクチンは効果がないばかりか有害である可能性があることが十分わかっていただけのではないでしょうか?
上記以外にもインフルエンザワクチンを打つべきでない理由はいくつもあります。以下に列挙しておきますので、ぜひ参考にしてください。
① インフルエンザワクチンに関して、ウイルスのタンパク成分であるヘマグルチニンという分子に対する免疫応答が感染防御の主役と考えられているが、この分子は頻繁に突然変異を起こして抗原性が変化する。そのため、インフルエンザウイルス感染に対する終生免疫が得られるどころか、抗原性が変化したウイルスに対するワクチンの効果は全く期待できない。そればかりか、“免疫原罪(immunological sin)”という機序により、むしろ抗原性を変化させたインフルエンザウイルスに対する免疫力が低下することさえ考えられる。
② 現在日本で使用されているスプリットワクチンは、エーテルなどでウイルス成分を分離したものであり、全粒ワクチン(ウイルスがそのまま入っている)よりも免疫原性が低い。そのため、抗体が作られたとしてもその産生能が低く、抗体の持続期間が短い(2〜3ヶ月)ので、インフルエンザの流行期間を通して防御免疫が持続しない(そもそも防御免疫はつかないが・・・)。
③ 現在使用されている不活化ワクチンの皮下摂取では、感染防御の役割をすると考えられる気道粘膜のIgA抗体誘導や実際に感染が起こったときの細胞性免疫は誘導されない(全ての不活化ワクチンでいえること)。
④ 動物由来の組織培養によるワクチン製造プロセスで、他の種の動物の遺伝子汚染が懸念される。また、ワクチンに添加される免疫賦活剤の中には様々な有害物質(スクワレン・ポリソルベート・ソルビタンなど)が含まれており、ワクチン自体が有害物質となりうる。このような有害物質が複合的に体内に侵入してきた場合の影響についてはまだほとんどはっきりしたことはわかっていない。
慢性疾患で通院中の患者が多い当院として、インフルエンザワクチンの予防接種に関して特に強調しておきたいことは、「慢性疾患患者にとって、“炎症ゴミ”となるアジュバントやワクチンに含まれている他の成分は、十分疾患の悪化要因となり得る」ということです。これは様々な多角的な研究から科学的・医学的にも示唆されていることです。
以上、インフルエンザワクチンを打つべきでない理由について示してきました。最終的な結論として、当院ではインフルエンザワクチンは「百害あって一利なし」と考えております。
以上の内容に関して、ぜひ参考にしていただき、最終的に打つかどうかはご自身で判断していただければと考えています。